オンネトー

オンネトーは雌阿寒岳の西側にある湖面標高623m、周囲2.5km、最大水深9.8mの静かで美しい湖です。オンネトーはアイヌ語で「老大な・大きい湖」を意味し、湖の色が天候などにより変化することから五色沼とも呼ばれています。
道道949号線沿いにある木造の展望デッキからはオンネトーを間近で見ることができます。コバルトブルーの湖面に映し出された雌阿寒岳・阿寒富士の神秘的な美しさは、今でも多くの人を魅了し続けています。
※非動力船(カヌーなど)の乗り入れはご遠慮ください。

錦沼

雌阿寒温泉から道道をオンネトーに向かって約1.5km行くと、左手の森に茶褐色の沼「錦沼」が見えてきます。錦沼は周囲200mほどの沼で褐鉄鉱が堆積しているため茶褐色の色をしており、数少ない生きている鉄鉱床のひとつです。

オンネトー湯の滝

オンネトー南端の道道664号線沿いにある駐車場に車を止め、南へ約1.5kmの林道を歩き進んでいくと、オンネトー湯の滝に到着します。湯の滝とは、雌阿寒岳の主峰ポンマチネシリから噴出した溶岩流の亀裂から湧出した温泉が、約30mの高さから流れ落ちている滝です。この温泉に含まれるマンガンイオンが、黒色のマンガン鉱床を形成しており、地表でこの現象が見られるのは世界的にもたいへん珍しいため、国の天然記念物となっています。
なお、オンネトー湯の滝においては、「オンネトー湯の滝生態系維持回復事業」に基づき、環境省が外来魚(グッピー、ティラピア)の駆除を実施してきましたが、2019年にその根絶が確認されました。なお、野外に定着したグッピー・ティラピアを根絶させた事例は全国で初めてです。

オンネトー散策路

オンネトーの周りには、湖畔と雌阿寒岳の麓を囲むように4つの散策路があります。
雌阿寒岳とオンネトーを望む展望地まで登るコース(A)、湖畔を散策するコース(B)、多様性に富んだ森の中を歩くコース(C)、湯の滝まで歩くコース(D)など、それぞれのコースで異なる景色を味わうことができます。

※近隣のお手洗いは雌阿寒温泉駐車場前の公衆トイレ(通年)、オンネトー国設野営場トイレ(6月~10月のみ)、UPIオンネトー休憩舎(6月~10月のみ)の3か所ございます。

A. 展望台コース
距離:約2.3km(片道) 時間:約40分(片道)

展望台コースは、湖畔の展望デッキ付近から登り始め、針広混交林の豊かな森を歩くコースです。コースを 0.8kmほど登ると、オンネトーや雌阿寒岳、阿寒富士を一望できる休憩所が現れます。雌阿寒岳に登る時間はないが、少し高いところから景色を楽しみたい人にはおすすめのコースです。
※ちょっとした登山になるため、動きやすい靴や服装をおすすめします。

B. 東岸コース 
距離:約1.9km(片道) 時間:約40分(片道)

この散策路は、オンネトーの東岸に沿って伸びており、苔に覆われた森を歩きながら、オンネトーの景色を楽しむことができます。静かな湖畔を歩いていると、森の奥からクマゲラの声が聞こえることも。
錆色の錦沼の水がオンネトーに流れ込み、青色の湖と美しいコントラストを作り出す場所もおすすめです。また、5月には白い花を咲かせるミズバショウを見ることができます。
※西岸の道路を歩けば、オンネトーを一周することが可能です。

C. 雌阿寒温泉コース
距離:約2.4km(片道) 時間:約50分(片道)

このコースは雌阿寒温泉(野中温泉)とオンネトーを結ぶように伸びており、途中で湖畔沿いにある[B.東岸コース]に合流します。
雌阿寒温泉を出発すると、散策路はアカエゾマツの純林を抜けていきます。アカエゾマツは、雌阿寒岳麓の火山性土壌でも成長できる数少ない樹木です。オンネトーに近づいてくると、アカエゾマツに加えて広葉樹やその他の針葉樹が姿を現します。さらに土壌が豊かになるにつれて、森の中の広葉樹の比率が変化し、森の雰囲気の変化を楽しむことができます。

D. 湯の滝コース
距離:約1.4km(片道) 時間:約30分(片道)

このコースの見所は何と言っても、「オンネトー湯の滝」です。ここで見られるマンガン鉱床の規模は比類なく、マンガン形成過程の研究にとって世界的に重要な場所となっています。湯の滝は2000年に国の天然記念物に指定されました。
滝へは、オンネトー国設野営場から続く広くなだらかな林道を歩いて行きます。

冬のオンネトー

例年、11月末頃から12月上旬ごろのいくつかの条件が整った際に、湖の結氷が起こります。湖に雪が被る前であれば、アイスバブルや凍った湖面の映る雌阿寒岳などこの時期ならではの絶景に出会うことができます。
※凍ったオンネトーには凍結していない場所や氷が薄くなっている場所などがあり、湖に落ちる危険性があります。安全面に十分注意しご散策ください。気温が高い日には特にご注意ください。

オンネトーまで行く道路(道道949号線)は冬季間、雌阿寒温泉から先が車両通行止めとなり、車では行くことができません。徒歩でのみ、雌阿寒温泉町営駐車場(冬季もトイレ有)から、「C」アカエゾマツ純林コース(雌阿寒温泉コース)もしくは道道949号線を通りオンネトーまで行くことが可能です。雌阿寒温泉より奥は携帯電話の電波がほとんどなく、緊急時の救急隊の到着にも長い時間を要します。スノーシューなどの装備を整え、事前のルート確認等しっかりとした準備を行った上での散策をお願いします。少しでも不安のある方は民間業者のガイドツアーの利用をおすすめいたします。


アクセス情報

錦沼
阿寒湖畔エコミュージアムセンター → 国道241号線・道道949号線(車35分) → 錦沼
※見逃しやすいので注意、雌阿寒温泉(野中温泉)を過ぎて1.5km先左側にあります。

オンネトー湯の滝
阿寒湖畔エコミュージアムセンター → 国道241号線・道道949号線(車45分) → オンネトー南端道道沿い駐車場
 → 徒歩(40分) → オンネトー湯の滝